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【獣医師が解説】愛犬のおしっこが出ない?原因・考えられる病気・治療法について|袖ヶ浦市のますみ犬猫病院

袖ヶ浦市・木更津市・君津市・市原市・富津市にお住まいの皆様、こんにちは。
千葉県袖ヶ浦市のますみ犬猫病院です。
愛犬がおしっこをしようと何度もトイレに行くのに、おしっこが出ていない――そんな場面に遭遇すると、とても心配ですよね。
このような症状は、命にかかわる重大な病気が隠れている可能性もあります。
本記事では、「犬のおしっこが出ない」原因や考えられる病気、そして当院での治療法について詳しく解説いたします。


犬のおしっこが出ない原因とは?

おしっこが出なくなる状態(尿閉や排尿困難)は、次のような原因によって引き起こされることがあります。
・尿路結石
尿道や膀胱に結石ができ、尿の通り道を塞ぐことがあります。特にオス犬は尿道が細長いため、結石による詰まりが起こりやすいです。
・膀胱炎
細菌感染が原因で膀胱が炎症を起こし、痛みや頻尿、排尿困難を引き起こします。
・尿道の損傷や狭窄
外傷や手術の影響で尿道が狭くなり、尿が流れにくくなる場合があります。
・前立腺肥大(オス犬)
加齢に伴い前立腺が肥大することで、尿道が圧迫されることがあります。
・腫瘍やポリープ
膀胱や尿道にできた腫瘍やポリープが尿の流れを妨げることがあります。
・神経の異常
排尿をコントロールする神経が損傷している場合、膀胱の収縮が正常に行えなくなります。

考えられる病気とそのリスク


愛犬のおしっこが出ない原因には、以下のような病気が隠れている可能性があります。
それぞれ放置すると深刻な健康被害をもたらすため、早期診断/早期治療が大切です。

1. 尿路結石症
尿路結石が尿道を完全に塞ぐと、膀胱内に尿がたまり続け、膀胱が破裂する危険性があります。また、腎臓に負担がかかり、急性腎不全に進行することもあります。
2. 膀胱炎
頻尿や痛みを伴う膀胱炎は、進行すると尿路全体に感染が広がり、腎盂腎炎を引き起こす可能性があります。特に繰り返し発生する場合は注意が必要です。
3. 前立腺肥大
肥大した前立腺が尿道を圧迫し、尿閉を引き起こすことがあります。未去勢のオス犬では前立腺炎や腫瘍のリスクも高まります。
4. 腫瘍やポリープ
膀胱内や尿道にできた腫瘍は良性の場合もありますが、悪性の場合は命に関わる可能性があります。腫瘍が大きくなると排尿だけでなく排便にも影響を及ぼします。
5. 神経障害
椎間板ヘルニアや脊髄疾患などが原因で神経に異常が生じると、膀胱が正常に機能せず、尿が溜まり続ける状態になります。放置すると尿毒症のリスクが高まります。


血尿や痛みが伴う場合は早急に受診を!

おしっこが出ない症状に加えて、以下のような症状が見られる場合は特に注意が必要です。
・血尿や濁った尿が出ている
・愛犬が排尿時に痛がる、鳴く
・何度もトイレに行くが尿が出ない
・お腹が膨らんでいる、触ると痛がる

これらの症状は命に関わる状態の可能性があります。
すぐに動物病院を受診してください。

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ますみ犬猫病院の治療方法


当院では、以下の手順で診断・治療を行います。
・問診と触診
愛犬の症状や生活環境をお伺いし、膀胱の膨張や痛みの有無を確認します。
・尿検査
尿中の結石や細菌、血液の有無を調べ、原因を特定します。
・画像診断
レントゲンや超音波検査で、膀胱や尿道の状態を詳しく観察します。

〇治療方法
尿路結石の場合:カテーテルで尿路を開通させた後、結石の除去手術や食事療法を行います。
膀胱炎の場合:抗生物質を使用し、炎症を抑えます。
前立腺肥大や腫瘍の場合:手術や薬物治療を適切に組み合わせて対応します。

症状の進行具合や病気の種類に応じて、最適な治療法を提案します。

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予防のポイント


愛犬のおしっこの健康を守るためには、以下のポイントを心がけましょう。
①適切な水分摂取
新鮮な水を常に用意し、脱水を防ぎます。
②バランスの良い食事
尿路結石を予防するフードを選ぶことが大切です。
③定期的な健康診断
尿検査や血液検査を定期的に受け、早期発見に努めましょう。
④ストレスを軽減
ストレスは膀胱炎の原因になることがあります。生活環境を整え、愛犬がリラックスできる時間を確保してください。

まとめ

「おしっこが出ない」という症状は、放置すると命に関わる重大な病気の可能性があります。
愛犬の健康を守るためにも、気になる症状があればお早めにますみ犬猫病院までご相談ください。