犬によくある疾患
歯周病
歯周病とは歯石が原因となり、歯肉が腫れたり、歯を支えている歯周組織が破壊されてしまう病気です。歯周病になると、口臭、歯ぎしり、よだれ、固いものを食べたがらない、口元を触られるのを嫌がるなどの症状が見られるようになります。歯周病が進行すると歯槽骨という歯を支えている顎の骨がどんどん溶けてしまい、最終的には歯が抜け落ちたり、ひどい時には下顎が骨折してしまうことがあります。また歯周病によって口腔内に繁殖した細菌が、血管などを通して全身に散らばり、心臓病や腎臓病、肝臓病、関節炎などを引き起こす可能性があると言われています。
抜歯
抜歯は、重度の歯周病や歯の損傷、歯根部の感染などの状況下で行われる手術的な処置です。抜歯は、歯が十分に健康でない場合や痛みを引き起こす場合に行われ、犬の口腔健康を改善するために必要とされます。抜歯は一般的に、麻酔下で行われます。まず、獣医師は口腔内を検査し、抜歯する歯を特定します。その後、犬が痛みを感じないようにするために局所麻酔が行われます。次に、歯を支えている歯槽骨を緩めるために、歯周組織を解離します。最後に、適切な器具を使用して歯を抜き取ります。抜歯後は、抜歯部位の清掃や消毒、痛みや腫れの管理、および適切な経過観察が含まれます。
口腔内腫瘍
口腔内腫瘍は、口の中や顎の骨、歯茎、舌、口蓋などの部位に生じる腫瘍のことを指します。これらの腫瘍は様々な種類があり、良性のものから悪性のものまで様々です。症状は、口内の腫れや腫瘍、出血、口臭、歯の動揺、食欲不振、吐き戻し、口内の痛みなどが挙げられます。口腔内腫瘍の治療法は、腫瘍の種類、位置、大きさ、および犬の健康状態によって異なりますが、手術的摘出、放射線療法、化学療法などが多くとられます。