症例紹介

【症例紹介】 肺癌と診断されてから1年──今も穏やかな日々を過ごしている統合医療の症例

統合医療

フレンチブルドッグ/ルビーちゃん(17歳)/咳と起立困難からの改善経過

症例概要

16歳で肺癌(前縦隔腫瘤)と診断されましたが、統合医療を続けることで、1年が経過した現在も症状なく穏やかな日々を過ごせています。
診断当初は咳や起立困難がみられましたが、ルビーちゃんの体に合わせながら治療を続けていくことで、生活の質(QOL)を大切にした毎日が維持できています。

写真

初診時レントゲン写真

「初診時の胸部レントゲン。はっきりと腫瘤の影が映っていました。」


現在のルビーちゃん写真

「現在の様子。表情も明るく、散歩を楽しめるまで回復しています。」


来院のきっかけ

咳の持続と起立困難を主訴として来院。
胸部レントゲン検査にて前縦隔に24.8×28.4mmの腫瘤影が確認され、肺癌として治療が開始されていました。

転院の理由

他院で高濃度ビタミンC療法を続けていましたが、遠方への通院が1日がかりとなりルビーちゃんの負担が大きかったため、
「通院負担を減らしながら統合医療を続けたい」という飼い主様の思いにより、当院へ転院されました。

初診時の状態

•    咳の持続
•    自力で起立できない時間が多い
•    活動性低下
•    前縦隔に腫瘤影を確認(改善は不明瞭)

治療方針

高濃度ビタミンC療法などの統合医療には、腫瘍縮小に関する報告も存在しています。
しかし本症例では、肺腫瘍による咳の軽減と生活の質(QOL)の改善を主目的とし、ルビーちゃんの体への負担を最小限にしながら治療を継続できる方法を選択しました。

主な治療内容

•    オゾン療法
•    高濃度ビタミンC点滴
•    有機ゲルマニウム
•    冬虫夏草
※シクロスポリンは1月末で中止

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経過(時系列)


時期
状態の変化
1〜2月
咳は持続するが立位時間が増加
2月末
咳の頻度が減少
3月
活動性が向上、咳はさらに減少
4月4日
咳はほぼ消失し、100mの散歩が可能に

※飼い主様の希望によりレントゲンは再撮影していませんが、症状が落ち着いていることから、腫瘍の動きが弱まっている可能性が考えられました。

在宅ケアについて

飼い主様はご自身でも水素吸入機器や高気圧酸素ケアを導入され、現在は店舗として他の犬にもケアを提供されています。
ルビーちゃんにおいても、自宅でのケアが治療の継続とQOL維持を支えた大切な要素となりました。

現在の様子

•    肺癌と診断されてから約1年が経過
•    肺癌に関連する臨床症状はほとんど認められない
•    散歩も楽しめる状態で、日常生活は良好に維持

獣医師コメント

17歳という年齢で肺癌と向き合うことは決して簡単ではありません。
しかし、本症例のように、統合医療によって症状を抑えながら穏やかな時間を積み重ねていくことは可能であると感じています。
ルビーちゃんのペースを大切に、これからも穏やかな日々を支えていきたいと考えております。

注意事項(免責)

本症例は一例であり、治療効果には個体差があります。
すべての動物に同様の結果が得られるわけではありません。