【獣医師が解説】犬猫の下痢対策完全ガイド:原因から治療法・予防まで詳しく解説
袖ヶ浦市・木更津市・君津市・市原市・富津市にお住まいの皆様、こんにちは。
千葉県袖ヶ浦市にあるますみ犬猫病院です。
犬や猫が下痢をしているとき、飼い主としてどう対処すれば良いのか迷うことがあります。
下痢は軽度な原因から深刻な病気まで、さまざまな要因で発生します。
本記事では、犬猫の下痢の原因、症状、対処法、そして予防方法について詳しく解説します。
犬猫の下痢の主な原因
犬や猫が下痢を起こす原因はさまざまです。
以下は、一般的な要因をいくつか挙げます。
食事に関連する原因
• 食事の変更:突然フードを変えると消化器官が適応できず下痢になることがあります。
• 異物摂取:ゴミや不適切な食材を口にした場合、消化不良を引き起こします。
• 食物アレルギー:特定の成分に対するアレルギー反応。
感染症
• ウイルス感染:パルボウイルスやコロナウイルスなど。
• 細菌感染:サルモネラやカンピロバクター。
• 寄生虫:回虫やジアルジアなど。
ストレスや環境の変化
• 引っ越しや家族の変化などのストレスが、消化器官に影響を及ぼすことがあります。
その他の原因
• 内臓疾患:肝臓や膵臓の病気。
• 薬の副作用:抗生物質や鎮痛剤が影響を与えることがあります。
下痢の症状と注意すべきポイント
下痢の症状には軽度なものから重篤なものまであります。
特に以下のような場合は、速やかに動物病院に相談してください。
• 血便や黒い便:消化管で出血している可能性があります。
• 頻繁な下痢:1日以上続く場合は注意が必要です。
• 嘔吐や発熱を伴う場合:脱水や他の疾患の可能性。
• 元気がない:食欲不振や動きが鈍い場合。
犬猫の下痢に対する対処法
自宅での基本的な対処
軽度の下痢で元気や食欲がある場合には、以下の方法を試してみてください。
1. 絶食:数時間から半日程度、絶食させて消化器官を休めます。ただし、水分は十分に与えましょう。
2. 消化に良い食事を与える:白身の鶏肉や白ごはんなど、低脂肪で消化に良い食材を少量与えます。
3. 経口補水液の利用:軽度の脱水に役立ちます。
動物病院での診察が必要な場合
以下のような場合は、すぐに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
• 下痢が1日以上続く場合
• 血便や黒色便が見られる場合
• 食欲不振や元気がない場合
• 嘔吐を伴う場合
ますみ犬猫病院の下痢の治療
ペットの下痢の治療において、西洋医学が主に症状を迅速に抑える対症療法を行うのに対し、
統合医療は、全身のバランスや根本的な原因を重視するアプローチを取ります。
そのため、当院ではその子に合わせて、西洋医学や統合医療を上手く使い分けながら、併用をしながら、治療をしております。
以下のようなケースでは統合医療が適している場合があります。ここでは例として中医学(東洋医学)やホメオパシーについてご説明します。
1. 慢性的な下痢の場合
西洋医学の対症療法が効かず、慢性的な消化不良や体質が影響している場合、
中医学やホメオパシーが全体的な健康を整えることで改善を目指します。
〇中医学:漢方薬、鍼灸、食事療法で脾胃の働きを調整します。
〇ホメオパシー:
レメディ(治療薬)はペットの性格、症状、生活環境に基づいて個別化されます。
例: Arsenicum album(吐き気や冷えを伴う下痢)、Podophyllum(水様性下痢)など。
2. ストレスや心理的要因による下痢
ペットが環境の変化やストレス(新しい家族、引越しなど)によって下痢を起こす場合、
中医学やホメオパシーは心身のバランスを整える治療を行います。
〇中医学:
ストレスを和らげる治療を行います。
〇ホメオパシー:
ストレスや不安による症状や感情的な不安定さによる下痢などに使用されます。
3. 体質や冷えが関与する場合
寒冷環境や冷たい食べ物の摂取で消化機能が低下し、下痢が続く場合、
中医学は体を温めて消化を助けます。
〇中医学:
「寒湿(かんしつ)」による下痢として診断された場合、温める作用のある漢方薬を処方します。
〇ホメオパシー:
冷えや過剰な食事摂取による下痢や慢性的な下痢などに適しています。
4. 食事や消化吸収に問題がある場合
食物アレルギーや不耐性、腸内フローラの乱れが原因の場合、
ホメオパシーや中医学やホメオパシーが腸内環境を整え、長期的な改善を目指します。
〇中医学:
漢方薬とともに消化を助ける食事療法が推奨されます。
〇ホメオパシー:
消化吸収障害による慢性下痢やガスや膨満感を伴う下痢に使われます。
5. 西洋医学が副作用を引き起こした場合
抗生物質や消炎剤による副作用で下痢が続く場合、
中医学やホメオパシーは薬の影響を緩和しながら症状を改善します。
〇中医学:
脾胃を強化する治療で、薬剤による負担を軽減します。
〇ホメオパシー:
薬剤の副作用に対応する治療があります。
6. 高齢や虚弱体質のペット
高齢のペットや体力が弱い場合、西洋医学の薬剤が負担になることがあります。
中医学やホメオパシーは副作用が少なく、穏やかに作用するため適しています。
〇中医学:
漢方薬で消化器系をサポートします。
〇ホメオパシー:
全体的なエネルギーを補い、健康を維持するレメディを使用します。
7. 再発や長期的な管理が必要な場合
下痢が再発しやすいペットに対して、
体質改善を目的とした中医学やホメオパシーが効果的です。
〇中医学:
食養生やライフスタイルの指導を通じて、健康管理を行います。
〇ホメオパシー:
根本原因を治療することで、再発の予防を目指します。
統合医療における中医学とホメオパシーの共通のメリット
• 個別化治療: ペットの体質や性格、環境に合わせた治療。
• 副作用が少ない: 小動物や高齢のペットにも安全。
• 全身の調整: 下痢だけでなく、全体的な健康を改善。
統合医療の中で、中医学やホメオパシーは、特に慢性的、非感染性、ストレス関連の下痢において効果的です。
これらの治療法は西洋医学と併用することでさらに効果が高まることもあります。
そのため当院ではその子に合わせて、西洋医学や統合医療を上手く使い分けながら、併用をしながら、治療をしております。
症状が改善しない場合や重篤な場合には、ますみ犬猫病院にご相談ください。
犬猫の下痢の予防方法
犬や猫の下痢を防ぐためには、日常的なケアが重要です。
• バランスの取れた食事:高品質なフードを与え、急な変更を避けましょう。
• 清潔な環境を維持:寄生虫や細菌の感染を防ぐため、清潔を保つことが大切です。
• 定期的な健康診断:病気の早期発見と予防に役立ちます。
• ストレス管理:犬猫がリラックスできる環境を整えましょう。
まとめ
犬や猫が下痢をしているときは、早期に原因を特定し、適切な対応を取ることが重要です。
軽度の症状であっても放置せず、飼い主としての観察とケアを心がけましょう。
症状が改善しない場合や重篤な場合には、ますみ犬猫病院にご相談ください。